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「魔女の宅急便」英語版で考察する劇伴 その1

Feb 15th, 2008 by Kenji

このないだ、「魔女の宅急便」が英語学習に良いとの記事を読み、英語で早速観始めた。以前にも、アニメ作品が英語学習に良いからと、英語音声が収録されているジブリ作品のDVDを漁ったが、実行には移していなかった。長い歳月を超えてやっと実行。しかし、見始めるや否や、驚愕。gkbrですよ。台詞が英語になっているだけではない!音楽もかなり変えられているではないかっ!!気づかない訳がない。変更が加えられている箇所は違和感があってスグに分かる。オリジナルがどうなっていたかを都度確認しながら再生してると異常に時間がかかったので、まだ半分しか観ていない。

まずユーミンの曲が変更されているのは、口惜しい・・・が仕方ないと思える範囲。問題はそんなもんじゃなく、久石譲大先生のスコアに音加えるわ、テンポ変えるわ、ちょん切るわ、鳴らす場所入れ替えるわで、何でもあり状態。若干怒りすら覚えながらも、はて、これは非常に勉強になると気づいたわけです。

アメリカの映画作品は日本の映画作品に比べて明らかに、そして圧倒的にシンクポイント(画と音楽をシンクロさせるポイント)が多い。特にアニメーション作品はキャラクタの動きなどに事細かに音を沿わせ、ME(ミュージックエフェクト/音楽とSEの中間みたいなの)的なものも多用される。そういう訳でシンクポイントもたっぷり。その中でいかに音楽的であるか、というのが技量の見せ所なのかもしれないけれども、やはりシンクポイントでガチガチになった音楽とそうでない音楽では後者の方がより「音楽的」になるのは当然だろう。

魔女の宅急便で、本題の「魔女宅」の英語版の劇伴改変。これはホントにディズニー的思考で無理矢理付け直したような感じ。とにかくとにかく、その価値基準でもって「シンクポイントが設定されるべきだ」という箇所を徹底的に見直し、そこで音楽的変化が起こるように、音楽の入りのタイミングやテンポを変え、切断したりパートを追加したりしている。それによって失われる音楽オリジナルの魅力とちゃんと天秤にかけたのか疑ってしまうような箇所もある。その位極端だ。

実際この改変が適切なのかどうかは価値観の問題もあるので簡単ではないが、やはりオリジナルの方が好きだ。ようは、向こうの人たち向けなんだから、そりゃそうだ。加えてこれは愛着や慣れというのも関係していると思う。ただ、「どっちが好き」というので話を終わらさず、ここから学べる部分がある。ある見地からするとシンクポイントとして設定されるべきシチュエーション、そしてその感覚についての見地の違う2者の差というのも明らかになる。ひとつの映像作品について2通りのやり方を考察できるのは非常に参考になる。

魔女の宅急便サントラ英語版において、ジジのキャラが云々という記述は散見されたし、主題歌が違う曲になっているというのも指摘している人はいるけれど、こんなにも劇伴が改変されてて文句言う人が見当たらないのが不思議で仕方ない。一通りみて、ちゃんと考察した「その2」を書く事を自分に課すため「その1」としました。

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